xanthic 黄色の、帯黄色の ‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ やけに黄色の太陽。窓から見えた光に、ホームズは薄目を開けた。 カーテン。真っ先に思った。 それから次に思い出す、昨夜の出来事。居心地のいいベッドの理由、物が少ない部屋に納得。 身体がなんだか重いのも頷ける。 知らず、警戒していた身体から力を抜く。 一緒に息も吐いていたようだ。 「ん・・・」 擽ったさにか、懐で眠るワトソンが呻く。そして眠り続ける。 少し日に焼けた肌は、赤みを増している。 昨日付けた噛み痕が、右肩にさらに赤く残っていた。 齧りつき、舐めまわし、舌に残る微かな塩気。ワトソンの汗の味。 頬に当たる髪がくすぐったい。この髪もしっとりと濡れていた。 ぐしゃぐしゃと髪を乱したのはお互い様だ。 前を向いたまま起きてしまったことが悔やまれる。 耳に届く寝息。 ホームズのほうを向き、眠るワトソンの顔はきっと、どうしようもない顔だろう。 見たい。 触れたい。 おはようと口づけ、抱きしめたい。 動けばいいのだ。すぐ側なのだから。 しかし、真っ直ぐな手も足も硬直したまま。 手を握ればいい。足を絡めればいい。 動きたい。 助けを求めるように、ホームズは大きく息を吐いた。 目論見は成功し、ワトソンは小さな反応を返す。 ようやく解けた呪縛にホームズが身動きすると、察してか布団に隠れてしまった。 その顔を見たいと思ったのだが。 僅かな隙間。入り込んだ寒い空気。 裸の身体には寒すぎたようだ。 思えば、確かにホームズも寒い。 潜り込む。 どうしようもない顔のまま、眠り続けるワトソンを暫し見る。 油断しきった顔。 潰れるような、膨らむような感覚。 そうして、どうしようもない顔になった、ホームズ。 「さすがは君だね」 一度だけ、唇を食んだ。 手を伸ばし、腰ではなく肩辺りを引き寄せた。足を伸ばし、太腿ではなく足首に絡ませた。 肌を合わせれば、じんわりとした温かさ。 ふと見れば、日の光か。 部屋もベッドも、黄色に染まっている。 静かに眠る、ワトソンも。 何もかも、柔らかで優しく包まれる。 ホームズはもう一度眠ることにした。 裸の肩に顔をこすりつけ、眼を閉じた。 訳もなく止めようもなく、笑いながら。 文