かんっ。
投げ捨てた棒が何かに当たる。転がっていたローションを盛大に股にぶちまける。忍ばせていた指を抜いて立ち上がる。ゴムを一瞬考えたが、もう我慢できない。
ジョンはシャーロックを見た。蕩けきった瞼に頬に鼻に、唇にキスをして、遠慮なく腰を落とした。
咥内でシャーロックの悲鳴がこだまする。美味しくいただきながら、伸びてくる手をジョンはまた払いのけた。
「まだダメだ」
腰を落とし上げて落とし、単純な動作しかできないが、今は充分だろう。
合わせた唇の隙間からシャーロックの懇願する声が漏れている。
滑稽なほど必死で、何度も何度も。
許すわけにはいかない。まだジョンは聞いていない。許しを望む声を。
白い肩にがぶり噛み付けば、赤い痕。さらに濡れる奥。もう片方の肩にも噛みつこうと、したときだった。聞こえた言葉に微笑んだ。
顔を近づけ、もう一度と促す。
噛んで我慢しようとしたのか、赤くなりすぎた唇が緩慢にけれど素直に動く。
「もうゆるして」
「もちろんいいよ」
思いっきり腰を落とす。一番イイところをぐりぐり刺激して、存分にジョンは白濁を吐き出した。そうして握っていた根本を離す。
なんとかちょっとだけ腰を上げれば、呻き声。弛緩し閉じる目。零れた涙を舐め取り、ゆっくり完全に腰を上げた。
白い液が溢れている。
はぁ、深く息を吐き、ジョンは座った。
ただただ息を吐く、シャーロックの額に軽くキスをする。
はぁっと身体まで震える息をして、シャーロックは手を伸ばした。
されるがままにすれば、抱きしめられる。掠れた声がジョンを呼ぶ。からかいではない調子で、ジョンはよしよしと、汗ばんだ髪を撫でる。
「もっと?」
「うん」
「何があったんだ?それとも何を思い出したんだ?」
「なにも」
「そう。いつでも髪はなでてあげるよ」
「君に責められ許されるのが、一番落ち着く」
すりと寄ってくる頭。なんだそれと耳をひっぱれば、もっとと乞われる。
「とんだ市民の味方だな」
「誰が。僕は違う」「事件にしか興味がない。
でもそれでいろんな人を救ってるだろ」
「例えば君が犯人だしてもそうだと断言する」
「そう、つまり、どうしようもないのさ」
「それはそうだ」
ジョンは溜息を吐いた。
その顔がいけないのだ。めちゃくちゃに可愛がりたくなる。
それに虐めたくもなる。本人は気づいていないが、今のシャーロックは途方にくれる子供のよう。
泣き喚かせたい、泣き止ませたい。
どちらにしろジョンを夢中にさせる。
「さてどうしたい?」
ちゅっと頬に催促のキスを。
一番どうしようもないのはジョン自身なのかもしれない。